TRADOSは「訳文の使い回し」ができるソフトです。
進行中の翻訳についてはTranslator’sWorkbenchの紹介で触れましたが、
ここでは既存の翻訳を使い回す機能、WinAlignを紹介します。
WinAlignは原文と訳文を整合するソフトです、と言うと「???」かと思います。
何をどうすることができるのかと言うと、
原文と訳文を同じ画面に読み込んで紐付け作業を半自動で行い、
そこから翻訳メモリを作成することができるのです。
例えば中国語の文書「C01.rtf」と英語の文書「E01.rtf」があるとします。
「C01.rtf」が原文、「E01.rtf」が訳文です。
WinAlignを立ち上げたら、まずは読み込むファイルの言語を指定します。
次に対になる原文と訳文を読み込みます。
「整合」機能を使うと読み込んだ文書が左右に表示され紐付けできるようになります。
基本的に文と文が一対一対応する形で点線が引かれています。
ときどき間違っていたり、表現上それでは困る場合があるので訂正します(詳しくは後述)。
紐付けが確定できたら翻訳メモリ形式で書き出せばできあがり。
Translator’sWorkbenchで使えるようになります。
TRADOSのごく簡単な紹介0 製品構成
難しいことを言うとLSP(翻訳会社とほぼ同義)版かFL(個人翻訳者)版かによって構成も違いますが、
ここでは私が持っているFL版の、よく使う機能についてのみ言及していきます。
どのみちLSP側の人々には社内研修もあるでしょうし。
Translator’s Workbench
システムの中核を成すソフトです。
Wordなどの文書を一文ずつ取り込んで、対訳を作成し流用するのに使います。
通常、Wordまたは下記TagEditorから操作します。
TagEditor
HTMLやXMLなど、Word以外の文書を翻訳するときに使います。
ならではの便利機能も充実していますが、要はWordの代わり。
WinAlign
原文と訳文が既にある場合、対訳として取り込むために使います。
旧版を客先から支給されたり、TRADOS使用以前の訳例が手元から発掘されたりしたときに。
MultiTerm
上記Translator’s Workbenchで自動検索できる用語集です。
翻訳の最中に登録していくこともできます。